ゴジラ(松村しのぶ原型)海洋堂ARTPLA
このたび「ARTPLAモニターキャンペーン」に当選し、作例を担当することになりました。これは絶対に制作したい!と思っていたキットだったので、最速で制作できる機会を与えて頂けたのは、本当に嬉しかったです。海洋堂のご担当者の方々、この場をお借りして御礼を申し上げます。
キットの到着(9月13日)
さて、楽しみにしていたキットですが、まだ「箱」がない状態のテストショットでの到着。箱がないのでちょっとあっけない感じもするのですが、その代わり「試作品」という特別感があります。説明書はまだ校正段階とのことなので掲載はできません。

ランナーは8枚。ARTPLAだけあって、全体的に重厚感があります。
組み立て(台座)
早速、組み立てはじめます。モニターということもあるので、説明書通りの順番で組んでいきます。まずは、台座。破壊された銀座の高架がなかなかリアルに表現されていて、これは塗りごたえがりそうです。


仮組み後、どんどん接着していきます。見て下さい、このパチピタ感を!


こんな感じで合わせ目が完全に見えなくなります。使ったのは、以下の写真の流し込みタイプの接着剤。プラを溶かして接着するのでかなり強力です。

組み立て(胴体)
そのままの勢いで胴体の組み立てにも入ります。胴体もご覧の通り・・・


「合わせ目はどこでしょう?」と言われてもまったく分からないレベルです。これは素晴らしい精度です。さすが天下の海洋堂様。かつてのプラモデルの常識を大きく覆してくれます。
そもそも、この分割がいいですね。最近、こういう形(芯になる部分の表面に、表皮を貼り付けていくタイプの分割構造)が多いですね。これなら、怪獣や恐竜でも合わせ目が目立たなくて良いです。これからの怪獣モデルの新しい形!
ミーティング(9月14日)
さて、今回のモニターキャンペーンに際し、12名のモニターの方々に向けてミーティングが開かれました。制作に際しての注意事項と質疑応答。あとは、簡単な自己紹介。自己紹介を通して、モニターどうしのコミュニティが生まれるのは面白いですね。実際、Xを通して互いの進捗を確認したり、やりとりをしながら制作するのは、かなり参考にもなるし励みにもなります。あえて「かぶらないように」という忖度は不要かもしれませんが、他の方々の作品を拝見することで、それとなく自分の個性を発揮できる部分を探ったりはするものです。
とうことで、このミーティングで一つ分かったことは「ゴジラ部分の改造は不可だが、台座部分の改造や拡張は自由」とのことでした!
ガレキ好き(ガレージキットはもちろん好きだが、ここは瓦礫を指す)としては、これは水を得た魚です。早速、台座を購入して瓦礫部分を広げることにしました。
台座の拡張

軽めの紙粘土をベースにし、少し盛り上げ気味に土台を制作していきます。ちなみに、ゴジラを中心に少し横長のベースにしたので、高架部分を拡張。左側には複製した高架。


上記のように、粘土で型を取り、レジンを流し込みます。透明レジンしかなかったので、塗装前はすけすけです。


日劇の壁部分も透明レジンを使用しましたが、これに関しては窓部分が透明になるので悪くはありません。ただ、複製があまりにも下手すぎて・・・壁のモールドもだるだるです。(そこは、瓦礫のリアリティでごまかします)

塗装すると、こんな感じです。なかなか良い感じ。あとは、さらなるディテールアップをはかっていきます。

やはり、電柱は必須。
いつもならNゲージの電柱を使用するところ、今回は他社製のキットは使用できないので、1ミリのプラ棒とプラ板(クリアファイル)でフルスクラッチ。

ご覧下さい。電線と電柱が加わるだけでこのリアリティ。今回はモニターなのでフルスクラッチでしたが、次回、自分で購入した場合はZゲージのストラクチャあたりを転用するのが良いかもしれません。


こんな感じで、当時の日劇の写真を参考に看板やポスターなどを作成し、プラ板に貼り付けていきます。スケール感を出すべく、なるべくこのサイズの情報量を増やしていきます。
ネームプレートの作成




いよいよ仕上げに入ります。モニターという「使命」を忘れ、ついつい心の赴くままに制作していましたが、あくまでモニター。「このキットはこんなアレンジが出来ますよ」という方法を示すのも大切な役割なのです。
・・・ということで、ネームプレートはランナーで制作。

木の棒で作りより、プラ板を木製風に塗装した方が、より「木に見える」のです。(いや、実際はぎっくり腰で買い出しに行けなかっただけ・・・)
架線の制作
架線は、ナイロンコートワイヤーを使用。7本のワイヤーをよって1本にし、ナイロンでコーティングしているワイヤー。表面が凸凹しているので瞬間接着剤もつきやすいので、使い勝手は良かったです。




「リアリティ」を感じるのは、ちょっとした「ほころび」。役者の「とちり」が現実感に引き戻すのと同じ。ゴジラがかっこよく電車をわしづかみにする様は、それは絵になるわけですが、ここで表現したいのはあくまで「生き物としての実在感」。スムーズに電車をつかませず、一緒に架線をつかんでしまうところに、リアリティを演出していきます。
完成

完成です!とても組みやすい上に、かなりのクオリティ。今回のように台座に凝るも良し、ゴジラの造形に一工夫するもよし。もちろん、素組みでもかなり絵になる造形でした。この後、10月17日からは東京ホビーショーにて展示、その後は秋葉原のヨドバシ、梅田のヨドバシと、各地のプロモーションに展示されるとのこと。楽しみです!