展示会参加
このたび、光栄なことに「怪獣模型展示会」へのお誘いをいただきました。結論から言うと、本当に素晴らしい展示会で、いわゆる「怪獣模型」というジャンルの中では最高のレベルと言っても良い作品が集う展示会でした。展示会のレポートは、いずれまとめるとして(どなたの作品もそれぞれに魅力的で、すべてを紹介するのには数日では無理なので・・・)、まずは「はじめての展示会参加」という記録として、まずは自身の体験をまとめておきます。
梱包作業
最初の難関は「梱包」です。お声がかかったのも、おそらく「ジオラマ」作品が多くの方の目にとまっていたのかな、ということと、Xでも大きな反響があった機龍の格納庫があったからかな、とも思っていたので、やはりジオラマ、特に機龍の格納庫は外せませんでした。
そうなると問題になるのは「梱包作業」です。箱の中で動くことが破損につながるので、とにかく「固定」すること。しかも緩衝材だと、それがパーツに引っかかり、破損する可能性があるので、あくまで緩衝材を使わずに箱の中で固定していきました。(これもひとつの「制作」に近かったです。今後のことを考えると、この作品の運搬用の箱を作っておいても良いのかもしれないです)
結局はスペースの都合上、使用しなかったのですがキャプションも制作しました。今回はその場に滞在して作品の説明をさせていただくことができたので、いずれにしろ文面としては不要でした。
考えても見れば、美術館に行っても、ろくに説明書きを読まない身としては、これは不要だったな、と後になって気づきます。「自分が話したいこと」と「相手が聞きたいこと」がかみ合わない人生が現在進行形だと痛感。
運搬(徒歩&電車)
「公共交通機関勢」(私の場合は、自家用車がないし、節約のためにタクシーも使いたくないというただのケチ)としては、会場までの運搬が最大の難関です。まずは、ちょうど良いサイズの段ボールを探し、運ぶための負担がないように、なるべく小さく梱包したのですが・・・渋谷駅でダッシュする女性にぶつかられたり、パスモをタッチする際に自動改札にぶつけたりと、厳重な梱包の甲斐があったと思える場面を経験しつつ、腕をパンパンにしながら、何とか吉祥寺駅に到着。
到着後、他の方々の運搬方法をうかがったのですが、キャリーケースで運ばれている方も多かった印象です。小刻みな振動が作品に負担かとも思ったのですが、厳重に固定した後に、その箱じたいを緩衝材を入れた箱に(つまりは二重に)梱包すれば良いのかもしれません。(翌日、新幹線移動を経験された方からもお話しを伺い、やはり「運搬」もひとつの難関であることを実感しました)
展示
いよいよ、会場に到着したら展示です。今回はこんな形で配置しました。皆さん、素敵なモデラー名刺をお持ちで、ありがたく頂戴したのですが、そんな魅力的なアイテムを手にしたら、自分も欲しくなるのが41歳児。その後、キンコーズにて発注するのでした。
展示会は、先ほども述べたように超絶作品が勢揃いで、はじめは、その中に自分がいることが恥ずかしいくらいでしたが、実際にはじまってしまえば、そうした作品を制作された作者の方々とお話しができ、その方法について目からウロコの方法をうかうことができ、いつしか夢中になっていました。そして何より、自分の作品をほめてもらえ、自分の作品について好きに語れるという(浮き沈みの激しい)自己肯定感が爆上がりする機会にもなったのでした。
個人的に嬉しかったのは、原型をされたたまおさんにモスゴジ作品を見て頂けたこと。(「自分の作品が展示されているのは感慨深い」とおっしゃっていましたが、その何百倍も「自分が塗った作品を原型師さんに見て頂いたこと」が感動体験なのです)また、二郎工房の「呉爾羅」を二郎さんに見て頂き、今後のお話も聞けたこと。「原型の制作」と「塗装」は別の工程で、それが重なることで「作品」になるという不思議な感覚になりました。(私としては、キットがすでに「作品」の完成形で、塗装はその後のアレンジのイメージだったのですが)いやぁ・・・感動でした。
また、「量産型リコ」の機龍の回ではかなり胸アツな展開で興奮だったのですが、まさか中川和博監督も、機龍を見に来てくださるとは・・・(お話しした際は冷静を装っていましたが、心の中ではめっちゃ興奮していました)。もう、感無量です。
そして、すべては挙げきれませんが、Xのフォロワーさんや、プライベートな友人なども来て下さり、それももう感動でした。「怪獣模型」という閉じた世界の趣味だったものが、まさかこういう形で多くの方々との「つながり」を広げ、深める機会になるとは思ってもいませんでした。
改めまして、貴重な機会をいただいたこと、こうした展示会を開催してくださったことに感謝の気持ちを述べさせていただきたいと思います。
皆様の作品レビューはXにて随時公開しておりますが、このレベルまで到達すると、作家性・・・と言って良いのか分かりませんが、個性が現れるものだな、と思いました。「怪獣模型」というより、もはや芸術と呼んで良い世界。今後の「怪獣模型」の展開にも大いに期待しております。